妊娠性歯肉炎とは?
2024年1月28日
妊娠性歯肉炎とは
妊娠性歯肉炎とは、妊娠中の女性によくみられる歯肉炎です。
統計調査によってかなりの幅がありますが、妊娠女性の10〜70%ほどの頻度で起こるとされています。
【妊娠性歯肉炎の原因】
妊娠性歯肉炎の原因は、プロゲステロンという女性ホルモンが増えることにあります。
プロゲステロンが体内で増えることで、血管壁の性質が変わり、血液成分などの透過性が良くなることが原因とされています。
ただし、プロゲステロンが増えるからといって、必ず妊娠性歯肉炎になるというわけではありません。
歯ぐきを腫らしてしまう何らかの刺激があって、初めて妊娠性歯肉炎が発病します。
つまり、妊娠したことによって、組織の代謝が異常を起こし、歯ぐきがさまざまな刺激に敏感に反応するようになり、歯ぐきが腫れると考えられています。
【妊娠性歯肉炎の症状とは?】
妊娠性歯肉炎と言いますが、症状そのものは普通の歯肉炎とほとんど同じで、歯ぐきの腫れや痛み、歯みがきをした時の出血などが主な症状です。
多くの場合、妊娠5〜20週目ごろから歯ぐきの腫れや出血がみられるようになります。
【妊娠性歯肉炎で注意しておかなければならないこととは?】
妊娠中に歯周病になると、その影響は母体だけでなく胎児にも及びます。
それは、早産や低体重児出産のリスクです。
妊娠している女性の体内では、出産の時期が近づいてくると、プロスタグランジンという物質が通常の10〜30倍も分泌されるようになります。
プロスタグランジンが引き金となり、分娩が始まるのです。
ところが、プロスタグランジンという物質は、歯周病による歯ぐきの炎症を抑えることを目的にに、歯周病によっても生み出されます。
分泌される目的は異なりますが、プロスタグランジンという物質には変わりがないので、歯周病によって作られたプロスタグランジンによって、子宮の収縮が促されます。
そのため妊娠性歯肉炎には、早産や低体重児出産のリスクがあるのです。
妊娠性歯肉炎は、適切な治療を受ける必要があります。
【妊娠性歯肉炎にならないようにするためには?】
妊娠性歯肉炎にならないようにするためには、普通の歯周病と同じく妊娠中もしっかりとプラークコントロールをすること、定期的なクリーニングが必要になります。
【水分補給】
妊娠すると、ホルモンバランスの変化により、唾液の分泌量が減ってきます。
唾液には、お口の中の細菌を減らす抗菌作用や汚れを洗い流す洗浄作用、初期虫歯を治す再石灰化作用などがあります。
唾液の分泌量が減少しお口の中が乾燥すると、こうした唾液の作用が発揮できなくなり、お口の中に、歯周病菌が繁殖する温床を生み出してしまいます。
水分補給をまめに行い、お口の乾燥を予防しましょう。
【まとめ】
今回は、妊娠性歯肉炎についてご紹介しました。
妊娠性歯肉炎は、妊娠中のホルモンバランスの変化によって生じる歯肉炎です。
症状自体は、普通の歯周病とほとんど同じで、歯ぐきの腫れや出血です。
ですが、だからといって放置していると、早産や低体重児出産のリスクが高まります。
もし、妊娠中に歯ぐきの腫れや出血などの症状を認めたら、一度歯科医院を受診して相談されることをおすすめします!
そして、妊娠中も無理のない範囲でいいですので、正しい歯ブラシの当て方や歯間ブラシ、フロスなどの清掃道具を使用して妊娠性歯肉炎を予防しましょう!
お待ちしております🪥🦷