歯を失う原因は?

歯を失う原因のほとんどは「むし歯」と「歯周病」です
歯が抜けてしまうのは、加齢のせいとお考えの人が多いかもしれません。
シニア世代の方が入れ歯を使っている割合が高いため、そうしたイメージを持たれがちですが、じつは加齢が原因で歯が抜けることはありません。
入れ歯を使用している方の7割以上が、むし歯や歯周病など、加齢とは関係のない病気によって歯を失っているのです。
プラークと歯石
むし歯や歯周病は細菌による感染症で、その細菌が増えてしまう原因が「プラーク」です。
そのため、プラークを減らすことがむし歯や歯周病を防ぐ一番の近道なのです。プラークとは単なる食べかすではなく「細菌の塊」です。
プラーク1mgには10億個もの細菌が存在しており、原因菌のエサとなります。
歯石とはプラークの死骸で、生きているプラークは歯石に集まりやすい性質を持っています。そのため、歯石があると大量の生きているプラークがまた付着してしまうのです。
歯石が付くと、ご自分での歯磨きでは取り除くことは難しく、きちんと除去するためには歯科医師や歯科衛生士による機械的な除去が最も効果があるとされています。
大切な歯を一生守るには?

日本と北欧の違い
「歯科先進国」と呼ばれる、スウェーデンやフィンランドなどの北欧諸国。北欧の歯科医療と日本の歯科医療には、大きな差があります。
日本では「歯は悪くなってから歯科医院に通って治す」のが古くからの常識となっています。一度で完治して再発しなければ良いのですが、症状が悪化して取り返しのつかないことになるまで通院しない方や、治療が終わって安心してしまい再発してしまう方も少なくありません。
一方、北欧では「歯は悪くなる前に予防する」という習慣があります。北欧での定期検診やクリーニングの受診率は、国民全体の約90%ともいわれています。歯科医院へは治療のためではなく、メンテナンスのために通うと考えられているのです。このため、北欧の80歳での平均残存歯数は21本となっています。
日本の定期検診やクリーニングの受診率は2%しかなく、80歳での平均残存歯数はわずか9本です。このことからも、定期検診やクリーニングなどの「予防ケア」がいかに大切かわかります。
定期検診を行うことで、自覚症状がなかったり、見てもわからないごく初期のむし歯や歯周病が発見できます。この段階で治療をすれば、負担はとても軽くすみます。また、どんなに自分で歯磨きなどをがんばったとしても、プラークと呼ばれる歯垢は残念ながら落とし切ることができません。これを完全に落とすには、歯科医院でプロが専用の器具を使って除去するしかありません。
当院では、「予防ケア」の重要性を考え、皆様に3ヶ月おきの定期検診やクリーニングをおすすめしています。まだ歯に問題がないと思っていらっしゃる方にも、治療が終わった方にも、定期的なメンテナンスで健康なお口を保ち、生涯健康で楽しく暮らせるよう、当院がお手伝いさせていただきます。
定期検診について
治療が必要な時だけ歯医者に行く人と、予防のために定期的に通院する人とでは、歯の健康寿命に大きな差があるということがわかっています。
1〜3ヶ月に一度は美容院に行く感覚で定期検診を受け、お口の中をきれいな状態に保ちましょう。
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1問診
口腔内の撮影、お口の中の視診、歯周検査などを行い、お口の状態を精密に診査します。
来院から一定期間を超えて必要な場合には、レントゲン撮影も行います。
また、生活習慣や気なることなどをうかがい、お口全体の現状を確認します。 -
2クリーニング・ブラッシング指導
専門的な機器でお口のお掃除を行います。
セルフケアでは落としきれない歯石やバイオフィルムも、しっかり取り除きます。
また、むし歯や歯周病のリスクを減らすためには、セルフケアの質を上げることも大切です。
磨き残しがどの程度あるかを確認して、お一人お一人のお口の状態に合ったブラッシング方法や必要なケア用品をお伝えいたします。スケーリング
セルフケアでは落としきれない歯垢や歯石などの汚れを、専用の機器を使って削り落とします。
自分では十分に歯を磨けていると思っていても、約40%は歯垢や汚れを落としきれていないといわれています。
定期的にプロの手で歯垢や歯石を取り除きましょう。PMTC
専用の機器や薬剤を使い、プロの手によってお口の中の汚れや歯の表面をきれいにクリーニングします。
むし歯菌や歯周病菌が棲みついたバイオフィルムをていねいに落とし、歯の表面を汚れが付きにくいツルツルした状態まで磨き上げます。
ご自宅での効果的な予防ケア
「毎日しっかりと歯磨きをしているのに、むし歯や歯周病を指摘されてしまった」
このような経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
これは、どんな正しいブラッシングをしていても、歯ブラシでは大まかな汚れしか落とすことができないためです。
細かい汚れまで落とすためには、歯ブラシのほかに必要なものがあります。ご自宅で使えるものは、次の2つです。

歯間ブラシ
歯間ブラシは、歯ブラシが届きづらい歯と歯の間を磨くブラシです。様々な商品があり、いろいろな太さや毛質のものがあります。太さが合っていなかったり、あまり毛質の良くないものを使ったりすると、歯ぐきを傷つける原因になります。当院では、歯の隙間を確認し、患者様に合ったものをおすすめいたします。

デンタルフロス
「糸ようじ」とも呼ばれ、糸状のものを歯と歯の間に通し、動かすことで歯間の汚れを落とします。こちらも様々な商品が販売されていて、持ち手の付いているものや、巻き糸のように必要な分だけ切って使うものなどがあります。デンタルフロスは正しい使い方をしないと歯ぐきを傷つけることがあります。当院では、デンタルフロスを正しくお使いいただけるようにアドバイスさせていただきます。
歯ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロスを上手に使えば、磨き残しはかなり減らすことが可能です。
これに定期的な歯科医院でのクリーニングを習慣化し、いつも健康なお口を保ちましょう。
かわかみ歯科クリニックでは、生涯ご自身の歯で生活できるように
患者様をサポートいたします。
お口のこと、予防のことについてのお悩みをご一緒に解決いたします。
お困りの時にはいつでもご相談ください。